今回は、北海道にお住まいのご家族からいただいた
「模様替え」のご相談についてご紹介します。
ご家族は40代のご夫婦と、20代の息子さん、中学生の娘さんの4人暮らし。
7年前に念願のマイホームを手に入れたものの、
和室をフローリングにしただけでは狭さと変わった間取りの不便さが解決せず、
ずっと悩んでいらっしゃいました。
「せっかくのマイホームなのにストレスばかりで…
恥ずかしくて友人も呼べないんです。
家族がホッとできる、温かい空間にしたいんです」
奥様はとても切実な表情でお話しくださいました。
■ LDKに入ると目にした現状
玄関を入るとすぐLDK。
2階へ上がるのも必ずLDKを通る間取りです。
疲れて帰宅すると、
家族はキッチンカウンターの下にバッグや上着をポンと置き、
カウンターの上には郵便物や小物が積もっていきます。
奥様が何度声をかけても、散らかりは改善されず…。
せっかくリフォームで貼った奥の壁のエコカラットも、
ソファの配置で収納扉をふさいでしまい、結局活かされず。
北海道特有のヒーターの位置の制約で、
テレビはとても見にくい場所に設置されていました。
その結果、誰もソファに座らず、
奥のスペースは息子さんの筋トレ用の場所になり、
家族は散らかったダイニングで食事を取るだけの
「落ち着かないLDK」になってしまっていたのです。


■ 家族がホッと集まれる空間にするために
今回は家具をすべて新調するという大きな決断もあり、
一からレイアウト・家具選び・収納を見直していきました。
② 家具は「コミュニケーションしやすさ」を基準に選ぶ
ソファは背も低く足元の抜け感がある、
軽やかなデザインを選び、
視線を遮らないことで
リビングとダイニングを緩やかにつなぎました。
ダイニングテーブルは、
家族全員が向き合える円形を選定。
来客時にはスツールを追加して柔軟に対応できます。
四角いテーブルよりもスペースがゆったり使え、
心理的にも窮屈さを感じにくいのもポイントです。

① レイアウトの軸をつくる
LDKの中心にあるエコカラットの壁を「空間の起点」として、
テレビボードをその中央に配置。
そこからソファ、ダイニングを一直線に並べることで、
自然で安定感のある空間にしました。
ダイニングやソファからテレビも見やすくなり、
家具の周囲をぐるっと回遊できるようにしたことで、
収納や窓へのアクセスも楽に。
ソファ前のスペースは、
引き続き筋トレもできる広さを確保しました。


③ 「片づけやすい仕組み」で散らかりを防ぐ
収納は「誰でも自然に片づけられる仕組みづくり」が大事。
・上着やバッグなど個人の物は各自の部屋へ
・郵便物や文具、家族で使う物だけリビングに置く
と大枠を決めてから、収納場所を設計しました。
キッチンカウンター下の棚は撤去し、
無印良品のスタッキングシェルフを設置。

「置ける場所がなくなった」ことで
自然と私物は部屋に戻すように。
郵便物はドキュメントトレイにまとめ、
玄関近くには鍵や印鑑などを取り出しやすく、
かつ見た目にも美しい収納を用意。
上段がオープン、下段がフラップ扉の収納を使い、
扉を閉じれば雑多な物は見えず、
天板にはアートやグリーンを飾って「見せる収納」に。

ゲスト用のルームシューズやブランケットは、
ソファ横の蓋つきボックスに収納し、
サイドテーブルとしても活用しています。

こうして家具の配置・選び方・収納計画を一から見直したことで、
LDKは家族みんなが自然と集まり、
ホッとできる空間へと生まれ変わりました。
次回は…
「インテリアをどんな雰囲気にまとめたのか?」
を詳しくご紹介しますので、ぜひお楽しみに!