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【空白のスペースこそインテリアの完成度を高めるキャンバス】

お部屋づくりを始めるとき、「どんな風に過ごしたいか」                 「どうしたらもっと使いやすくなるか」

—さまざまな視点から検討し、空間の条件と照らし合わせながらインテリアを組み立てていきます。

 

大きな家具やカーテン、メインの照明などを配置すると、ようやくお部屋の「大枠」が整います。

この段階でも、みなさま相当なエネルギーをかけて準備されることと思います。

 

ですがここで一息ついたとき、ふと目に入るのが、

 

★ぽっかり空いたままの壁

 

★なんとなく置いただけの棚

 

★日常使いの物をとりあえず並べたカウンター

 

—そうした空間の「余白」です。

 

 

この段階ではまだ、お部屋全体の雰囲気がどこか定まっていないように感じることも。

 

だからこそ次のステップとして、

 

 

こうした空白のスペースを使って、

テーマを持って

アートやグリーン、実用小物などを取り入れていくことで、

空間に「ムード」が生まれ、「癒し」や「個性」が宿っていくのです。

 

ときにはご予算の都合で、

小物類を十分に入れられない場合もあります。

そうすると、

「なんだか思っていた雰囲気と違う…!」と、お客様からご意見をいただくことも。

 

必要性をしっかりご説明し、細かなディスプレイの提案を加えることで、

家具の配置自体はそのままでも、空間の印象がぐっと変わり、

ご満足いただけることがとても多いのです。

 

インテリアは、家具のレイアウトで終わりではありません。

 

空間全体をキャンバスとして捉え、「仕上げ」をしていくことで、

より心地よく、満足して過ごせるお部屋が完成します。

 

 

実例紹介:キッチン背面の壁をアートで演出

今回ご紹介する案件では、キッチン背面に広い白い壁がありました。

そこでまず、オブジェのような、

あえて数字がはっきりと記載されていない掛け時計を選びました。

 

その下には、

陶器のフレームに凸面ガラスをあしらい、ドライフラワーを閉じ込めた

小ぶりながら印象的なウォールアートをランダムに配置。

 

 

掛け時計は必要なアイテムとして設置しましたが、

色味はダークカラーでまとめ、白い壁とのコントラストを演出しました。

 

 

また、他の壁面がシンメトリーなディスプレイにしているなかで、

あえてこのキッチンの壁はアシンメトリーに配置し、空間に動きをもたせています。

 

 

さらに、ダイニングテーブルやチェア、

ソファ下のラグなど、丸い形が連なることで生まれるリズム感に加え、

「やわらかさ」や「心地よさ」も意識しました。

 

私は、触れること、見ること、感じることを通して

心に響くインテリアをご提案したいと考えています。

 

少し時間はかかりますが、空間が生き生きと変わっていくこのプロセスは、

とても楽しく、わくわくするものです。

 

お客様の大切なお手持ちのアイテムなども、ぜひ一緒に取り入れながら、

 

唯一無二の空間を一緒につくっていきましょう。